昨年出逢った「引き出す」ものの一つに 髪や肌の分子や遺伝子の情報を引き出す技術がありました。髪や肌が元来備えている情報を引き出すことによって 持てる能力を発揮させ 状態をより良く快適に整える、というアプローチです。ここにおいては、「美」が 内側にある可能性を引き出すこと/可能性を開示することと同義になりつつあります。
そもそも私がカラダに再び興味を持ったのが、「思考を外部化する」「脳を外部化する」ための模索がきっかけでした。意識というものの本拠がカラダであり、カラダという場を介して果てしない外の世界に触れ 情報のやり取りをし 相互に作用し合っていることを考えると、私たちがカラダの場を更にフルに生かすならば これまで想像も及ばなかったほどに 思考や創造を展開していくことができるのではないだろうかと、思えるのです。(その意味において、髪や肌という “外界と接する最前線”かつ“最も「現在」に接している場”の状態がより良くなることは、とても重要なことだと考えています。)
そして、昨年の出逢いによって 私の中では、「人が持てる可能性を発揮する」ことにおいて 医療と健康と美容(*この3つは カラダの場を育む意としての「体育」の領域と言うことができます)と知性・創造性が 同じ土俵に乗ってきています。
外から加えて 何か他のものにするのではなく、個々人が持っているものを引き出し その人らしさを発揮できる 社会に向けて…
【補記】
「人が持てる可能性を発揮する」とは
仏教でいうところの「仏性をひらく」ということなのかもしれません