Earth Design Project

ひとりひとりから始まる あらたな ヒト/HITO の ものかたり
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うるう弥生


今日は 旧暦の閏弥生の新月です。
旧暦では 今年は約3年に1度(*正確には“19年に7度”のようです)訪れる閏月の年で、3月22日に始まった弥生にひきつづき ふたたび 閏月の弥生が始まるのとのこと。計13ヶ月、増えたひとつきが 春に加わるのは なんだか嬉しいものですね。

閏を「うるう」と読むのは 潤と混同したことによると ウィキペディアには記されていますが、そんな 人為を超えた“偶然”は 何かを意味しているのでしょうか。今年2度目の弥生 潤う月 にふさわしい 水に関することがらが、いま 私の意識の中で交錯しています。

先日 知人から届いたメールには、ご神事のためにいただいたお水が ビジネスに転用され そのお水をいただくために仲介した彼女が 心を痛めている様子が記されていました。その水が転用(*盗用とも言えます)されたビジネスは 「よいお水」を売る いわゆる水ビジネスの類いとはやや異なりますが、いまや水ビジネスは世界中で一大産業となっています。かつて ボトル入りの水を飲んでいる国の人々を ある種の哀しみとともに驚きの目で見ていた頃が 嘘のようです。

現状を鑑みれば、安全な水 心身によい水が それとして人に知らしめられ 渡ることは必要なことです。しかし 本来 水も空気もすべて ただ でした。それを汚してきたツケを いま そして これから私たちは払わなければならず、その過程において 安全な水と危険な水 良い水と悪い水 というような峻別作業は、様々な技術開発とともに 当然に生じてくる一過程だと思われます。しかしそれだけは 根本的な解決には至らず、同時に 本来の姿を見据えた取り組みが必要だと思うのです。
空気も水も あまねく安全で ひとにとってよきものである
という 本来の姿に戻す取り組みが。

それは 水に留まらず、
空気や大地という トータルな地球の財産、
始めから与えられていた地球の公共財すべてに 求められていることでもあります。(*本来 エネルギーも ここで言う地球公共財だと理解しています。)


   まず 小さなカタで始めて
   想定される問題を 可能な限り洗い出し
   そこで うまくいったら
   広く伝えてゆく


ある自然栽培農家の方が、新しく物事に取り組む時の姿勢として そうアドバイスして下さいました。この方は あまねく農地を おそらくは ひいてはあまねく大地を 本来の姿に戻すために 自らが携わる農の中で実践を重ねています。いのちを育むに足るエネルギーを宿した土から育った野菜は それを食した人のいのちを育み、その土を通過する水や空気をも 整えてゆくことになるのでしょう。

いま それぞれの方が それぞれの役割に応じて動かれていることと思います。
また、このように記した私が 土や水や空気を整えるための具体的な活動を 行なっているわけでも これから始める予定があるわけでもありません。(Ri-デザイン研究所の視座の中には 含まれていることではありますが。)
ただ 思うのは、誰かが 何かが すべてを解決してくれることはありえないだろうということと、それは あってはならない ということです。

水や空気や大地を汚さず 本来の姿に整えてゆくための取り組みは
どんな場所でもできるはず。

   物質の領域においても
   意識の領域においても

蛇口から出る水が
井戸からくみ出した水が
岩から溢れ出る清水が
安心して口にでき
いのちを育んでくれるような そんな日に 一日でも近づくために
小さなことから 小さなカタから 始めることは 誰にでもできます。

そして それこそが 人と地球をつなぐ 本来の ありかただと思うのです。

ひとりひとりが生み出した それぞれの異なる その実践こそが、創造性に満ちた 地球の富となってゆくのではないでしょうか。




【コメント】

上記の文章をひととり書き終えた後 家人が図書館で借りてきていた絵本に目がとまりました。以前のブログでご紹介した畠山重篤さんの『カキじいさんとしげぼう』です。畠山さんの自伝的なそのお話を 音読し始め、気がつくと 一気に読み終えていました。そして 改めて 水をいかすには 人のはたらきが不可欠であり重要なのだと 気づかせていただきました。

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HN:
Ri-Design 研究所
性別:
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