Earth Design Project

ひとりひとりから始まる あらたな ヒト/HITO の ものかたり
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四百年の森

 

 

予てから訪ねてみたいと思っていた森に 先日 伺うことができました

「最も美しい森林は また最も収穫多き森林である」
という ドイツのアルフレート・メイラーの言葉を実践している林業家の方の森

針葉樹の人工林は 下草がなく 生態系が貧しい
というイメージが いっぺんに払拭されました

  広葉樹と針葉樹の保水機能には 差がないこと
  山の保水機能を担い 土壌流出を抑えるのは 下草の役割であること

  針葉樹の人工林にすると山が崩れやすいというのは
  その適地が もともと崩れやすい土壌であることから生じたイメージであること

  広葉樹にはコナラのように
  アレロパシー(他感作用)によって周りに下草が生えないものもあること

  などなど・・・・・

洞のある樹や倒木など商品価値がない樹々も 広葉樹と共に森林全体の生態系を豊かにするものとして残された森を、育んできた速水林業の九代目・速水亨さんに案内してもらいながら 歩いて行きました

その森では 243種類の植物が見つかっており
明治神宮の森の246種類と同等の 植物的豊かさを保有しています

昨年初めてお会いした時
生態系が多様であることは 病害虫の被害を抑えることができ 森林全体の健全性につながる、と おっしゃっていたのが とても印象に残っています


森を訪ねた日
屋久島と一二を争う降雨量があるその地は雨

前日までの晴天が続いてくれていたら という気持ちは
森のなかで 森に響く雨音を聴いているうちに いつしか消え去り
雨に濡れ 雨に煙る 美しい森を楽しんでいました


現在 百年の樹が育っている 速水林業の森
速水さんは 更に四百年の樹を育てることに挑戦しています

その「四百年の森」の構想が
二千年後の法隆寺の木材をどうするのか というある方からの問いかけに対する
速水さんの ひとつの応えであることを、
翌日の講演会で知りました

四百年
二千年…
途方もない時間軸のように思えますが、
責任ある社会の運営ということを考えれば できるかどうかは別として そのくらいのスパンで物事を捉える視野を持っていたいものです

  人が関わることで
  自然のままでは生まれ得ない多様性を創出することができる---

速水さんの本を読み 森を歩いていると
彼が行なっている森づくりが 本来の政治 本来のまつりごと の在り方と重なって見えてきます



 
   
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
百年の檜は このくらいの太さです【左の写真】
 
 
大雨の出水に備えた枯川
 
 
 
 
檜チップが敷かれた散策路
 

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HN:
Ri-Design 研究所
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