中国における 反日デモが激しさを増してきています。
破壊された日系デパートの前で 嬉しそうに破顔し 拳を突き上げている人たちの写真を観ると、理性と知性を放棄し 何か大きなものに動かされることで何かを為したと勘違いした人間の、狂気と愚かさと哀しさを 感じます。
そして 数年前のパレスチナでの体験を思い出すのでした。
それは パレスチナの置かれた状況について
ある研究者が語る会に参加した時のことでした。
話が進むに従って 憎悪のエネルギーが増幅され
会場内に満ちていくのが感じられました。
そのエネルギーのあまりのすさまじさに
私の心身はパンパンに膨らみ 張り裂けそうな状態となり、
しかし なぜかそこから退席できないまま その中に居続けたのでした。
一方的に憎悪が増幅される中で、
たったひとりの人間の存在の無力さと
それでも 自分がそれに与しないことで 多少なりともなにかのはたらきができるかもしれない という 希望とも意志とも祈りとも区別のつかない思いを
抱いていました。
そして
もうこれ以上は持たない…
というところで その会はお開きとなり
発狂することもなく なんとかその場をやりすごすことができたのでした。
中国に限らず
いま 世界中のあちこちにバラまかれている 争いの種。
その果実を手にしようとしているものたちの
これまで延々と繰り返したきた負の連鎖に
加担することなく
また 傍観するのでもなく
冷静な眼差しで見詰め
適切な対応と判断をしたいものです。
そして 同時に
領土問題というものの本質を
それぞれが考えていく必要があるのだと思います。